魍魎の匣 4話までの感想

今期最強の雰囲気アニメ

厨二設定とひとくくりにまとめてしまうと
インデックスとかその辺と似たような雰囲気もあるwww
ヒロイン?二人の会話なんで電波MAXで
そうそう、こういうのって中高校生ぐらいの時よく考えたな
とか思ってしまう。
真剣にドラグスレイブの呪文を暗誦しだすあの感覚だ。


しかし魍魎の匣ではそれらは1パーツに過ぎず、
どちらかというと厨設定を真面目に演出することによる
一種の侮蔑感みたいなものすら感じる。
そこが恐らくライトノベル系と一線を画す感覚なんだと思う。(京極作品もラノベちゃラノベだが)
原作者の京極夏彦自体が作品を作り上げる上で
パーツの組み合わせという物を非常に重視しているとどっかで読んだ事があるので
そういう意味では原作を非常に上手く移植していると言える。(現時点では)



読者の世界観をどんどん自身の作品に沿わせる為に
いかに仰々しくいかに最もらしく、
現実的では無い厨設定的な思考を並べて組み立てて
登場人物達にその世界で右往左往してもらう。
そんな原作の雰囲気が非常に良く出ている。
インデックスやシャナ、ゼロ魔と同じような事をやっている筈なのに
何か違って見える。



それはひとえに作中世界観のベースの違いであろう。
魍魎の匣の世界ではベースが現実の世界であり、
頑張っても魔法はでないし、封絶もはれなければ異世界へ旅立つ事もない。
よりこがどれほど生まれ変わりや天女説を信じていたとしても
やはり最後に帰ってくるのは現実に沿った世界であり、
京極作品は現実→摩訶不思議な世界→現実の構図がある。
それを象徴するのがやはり「不思議な事など何もない」という決め台詞なんだろう。



京極堂シリーズの摩訶不思議な世界の役割は、最終的には破壊される世界であり、
そこだけ取り出せばライトノベル的な雰囲気が生まれる。
これはラノベ系の世界観との最大の違いだ。
ラノベでは厨的な設定の世界観が作中世界での揺るがないベースである。
まさに魔法と剣のファンタジーである。
対して、現実を意識させる事、逆に言えば厨設定を破壊するべく生まれた、
登場人物の年齢や職業の設定。
つまり現実に戻す側の登場人物の相対的な高齢化と現実に沿った職業や事件、
そのパーツの組み合わせがファンタジー設定を浮かび上がらせ
パーツを組み合わせた時に感じる違和感が
「なんとなく見下した」ような感じに見える。
それもそのはず、一時的な気の迷いでしかない摩訶不思議な世界観は
対比すれば現実に沿った世界観に駆逐されてしまう。
本当に生きている世界では、厨二設定を経験し年齢を重ねる毎に、
魔法や宇宙人にかまっていてはご飯が食べられない月曜日が待っている。
かなこは生まれ変わりなの!なんてのが許されるのは本当に中学生までだ。
異世界に召還されるなんてのは同じ風な事なのに
ゼロ魔では大した違和感にならないのはなんでか。
恐らくそういうことなんだろう。


厨二設定がいかに現実に沿ったキャラを侵食し、
ひっかきまわし、物語を複雑にしていくか、
対比によりいかにも現実を装っていく、
そういった”雰囲気”で人を惑わしていく魍魎の匣は今期最強の雰囲気アニメだと思う。


*厨設定が悪いとか現実に沿った物が良いとかそういうことじゃなくてね。
ハルヒもゼロもシャナも好きだよ。